保育士 勤務開始までの不安あれこれ 実際働き始めたら意外に大丈夫なことと新たに気づく問題とは
2021年11月20日
就・転職活動がうまく進んで新たに就職や転職が決まった保育士さん。
勤務開始日まで新たな勤務先への期待とやる気に満ちあふれつつも
誰でもちょっとした不安はあるものです。
保育士 勤務開始までの不安とは
新卒の方はもちろん、経験のある保育士さんでも新しい職場へ行く前は誰でも不安があるものです。
もっとも代表的なものは
- 職場の人間関係
- 保護者対応
です。
新卒・経験者ともにこればかりは実際に園に入ってみないとわからないので
不安に思いがちですよね。
保育士の退職理由の第1位は人間関係であることも不安に思う要因かも知れません。
また特に新卒の場合は慣れない保護者対応に不安を覚えるのも当然といえます。
この点について
東京都の調査でちょっと興味深いデータがあります。
というのは
入所前のイメージと入所後のイメージに差があったものとして
この二つが挙げられているのです。
具体的には
人間関係が大変そうだと答えた人は入所前は74%ほどだったのが
就業後には51.5%まで減少
保護者対応が大変そうだと答えた人は入所前が85.5%と高い割合だったのが
就業後には65.3%まで減少しています。
どちらも20%以上減少しており
実際に働き始めると思っていたよりも同僚や先輩と良好な人間関係を築ける人が
少なくないことを示しています。
保護者対応については就業前はほとんどの人が不安に思っていますが
ある程度慣れてくると4分の1近くが思ったより大変ではなかったと答えています。
こればかりは入ってみないとわからないですし
やっぱり人間同士なのでお互い合う合わないはつきものです。
職場の人間関係にしろ、保護者対応にしろ
常識を備えて真摯に対応していれば大丈夫です。
あまり不安を感じすぎる必要はありませんが
実際半数を超えた人が働いていて大変だと感じているということも事実なんですよね。
また潜在保育士(資格を持っているが働いていない保育士)がブランク後に再就職する際は
上記の他にも
- 体力的な不安
- 若い保育士とうまくやれるか
- 以前の知識・経験が通用するかどうか
という不安も多くなります。
関連記事はこちらです。
就業後に改めて負担に思うのはやはりこれ
就職前はさほど気になっていなかったことで
就業後に負担に思う割合が多いのはやはり
- 保育業務以外の仕事量の多さ
です。
子どもと関わりたくて保育士として働きだしたけれど
子どもと関わらない時間の仕事量の多さに辟易してしまったというのは
正規の保育士さんならだれでもあることかと思います。
書類仕事や保護者対応、これって必要なの?と思うような研修、会議などなど・・・。
保育士の仕事は本当に多岐に渡るんですよね。
こういった仕事をできるだけ避けたいと短時間パートを選ぶ方も。
一番の不満・不安は収入面
実際退職した保育士の退職理由は
人間関係
ですが
保育士のほとんどが給料が安いという不満を持ちながら勤務しているのが事実です。
先ほどの就職前と就業後の意識の変化についての調査でも
給料について就職前に低いというイメージを持っていた人は95%超で
就業後でも実に92%もの人が給与が低いと答えています。
特に東京の場合は家賃補助を受けて働いている人が
将来この手当がなくなったらどうなるのだろうという不安を抱えていることが浮かび上がっています。
また近年少しずつ増えている男性保育士からも
将来を考えた時にこのままの収入で大丈夫なのだろうかという回答が見られました。
保育士の仕事は専門性が高く、やりがいがあるものです。
安定してずっと働き続けられる仕事でなくてはなりません。
改善という言葉を聞くようになって久しいですが
もっと現場の保育士さんが実感できる対策を強く望みます。
最新の処遇改善策についてはこちらでまとめています。
参考資料
>>>【東京都福祉保健局】東京都保育士実態調査報告書
>>>【厚生労働省】潜在保育士ガイドブック