保育施設におけるヒヤリハット事例 最新のデータから
2023年7月31日保育園などでの悲しい事故の報道を見るたび胸が痛みますね。
現場での事故を事前に防ぐために大切なことのひとつが
ヒヤリハット事例
の共有です。
各園でも、口頭での報告のほかにも、報告書の提出などという形でヒヤリハットを職員間で共有する仕組みがあることと思います。
先日内閣府が発表した最新のヒヤリハット事例をまとめてみました。
ヒヤリハット 見落とし
最新の調査では園バスでの事故が続いたことから「見落とし」に関するヒヤリハットに重点がおかれています。
見落としによるヒヤリハットがおこりやすい場面は
- 送迎バス
- 園外保育
- 園内での場面の転換(移動時)
が主となっています。
送迎バスでおこりやすいヒヤリハット事例
送迎バスでは降ろし忘れのほか、イレギュラーな対応時には
乗せ間違いなども起こりやすいです。
例えば、事前に保護者から「今日はバスなしでお迎えに行きます」と言われた場合に伝達ミスで通常通りのバスに乗せてしまうなど・・・
私も保護者の立場で同じ経験があります。
現場でもこのヒヤリハットは体験した方も多いのでは(保護者も含めて)。
園外保育で起こりやすいヒヤリハット事例
園外保育中のヒヤリハット事例も多く報告されています。
公園などで遊んだあとの置き去りヒヤリハット事例
最も多いのが置き去り、特にバギーに複数の園児を載せて移動する0歳児1歳児の例が多いです。
保育者が点呼(人数確認)を忘れていたのが主な原因とされていますが、
公園などで
- 広く散らばって遊んでいた後
- 他にも同世代の子どもが多く遊んでいた時
に起こりやすくなっています。
確かに・・・子どもが多くいるときといない時では把握のしやすさが全然違いますからね。
大きな木など隠れやすい場所や死角が多い公園も点呼の時にいないということがおこりやすいとされます。
また、年長児では、公園を出てどこかにいってしまうということも報告されています。
広い公園では遊ぶエリアを限定するなどして出口から出ないような工夫が必要とまとめられていました。
園外保育から帰園する際の見失いヒヤリハット
年長児など、園外保育から歩いて帰園する際に、列を離れてしまって短時間見失ってしまうというヒヤリハット事例も報告されています。
基本的には2列で手をつないで歩き、先頭と最後尾には職員という形をとっているかとは思いますが
人数が多く列が長い時には起こりやすくなってしまいます。
また先程の自分から公園を出て行ってしまう園児のように、子どもの突発的行動に対応できず、見失ってしまうこともよくあるのではないでしょうか。
園内でおこりやすいヒヤリハット事例
園内で起こりやすいヒヤリハットはやはり場面の切り替え時が多いです。
多いのが園庭で遊んだ後に教室に入った際の置き去りやトイレにいることに気づかず施錠してしまう事例です。
また園のオートロックの門を出てしまったことで外に締め出されてしまう例も。
また一番怖いのが駐車場でのヒヤリハットです。
ほとんどが降園時に保護者がおしゃべりなどで子どもから注意がそれているときに
子どもが駐車場をうろうろする、道路に飛び出すなどのヒヤリハットです。
保育施設でのヒヤリハット まずは共有から
これらのヒヤリハット事例、保育施設での報告書ではありますが、
子育て中の方なら誰しも一度や二度は同じ経験をしたことがあるのではないでしょうか。
家庭でも起こってしまうヒヤリハット、人員不足でまわしている保育園なら起こって当然のような気もします。
大きな事故がこれ以上増えないように、人員配置基準をもっと充実するのがまずは先決じゃないかなと思うのですがいかがでしょうか。
ヒヤリハットの報告は当人を責めるためのものではありません。
職員で情報を共有して、事故をふせぐにはどの手続きが大切なのか、新しいアイディアを出せないかなど
すべて子どもを守るためのものです。
内閣府の報告書にも
1件の重大事故の背後には、重代事故に至らなかった29件の軽微な事故が
隠れており、さらにその背後には300件のヒヤリ・ハットが隠れていると言われています。
とありました。
ヒヤリハットの報告は当事者にはつらいこともありますが、前向きに、どうすれば良かったのか共有する機会と捉えたいですよね。