書類仕事がイヤ・・・保育士の書類業務の実態と改善策
2021年11月17日
子どもが好きという理由で晴れて保育士となったけれど
書類業務が負担すぎる・・・という保育士さんは少なくありません。
といってもこの書類業務
園によってかなり違いがあるようです。
保育士の書類業務とは
保育園で主に作成される書類(保育に関するもの)は
- 児童票
- 年間指導計画
- 中長期指導計画(期・月)
- 短期指導計画(週・日)
- クラス日報(日々の記録)
- 園だより・クラスだより
- 連絡帳
などなど様々です。
この他にも園児の保健関係記録や事故(またはヒヤリハット)等の報告書やシフト表、
書類とは少し違いますが行事のための制作物やお部屋の装飾などの作成など
好き嫌いに関わらず保育士の業務の負担となっているのは明らかです。
特に行事の準備や装飾などは持ち帰って作ったことがないという保育士さんはいないのでは?
園により大きく異なる書類業務の負担感
実際のところ保育園で作られている書類自体に大差はありませんが
園により書類業務の負担に差があるのは事実です。
園により設備が違うことによる差
まず園によってIT(インターネットやその周辺機器などの情報通信)の活用状況が異なります。
例えばICTを取り入れている園で最近主流になりつつあるのが
タッチ登降園システムです。
保護者が登園時にタッチパネルやスマホで園児の健康状態やお迎えの時間等を入力することで自動的に登降管理や健康チェックなどができるようになります。
他のデータとともに活用することで指導計画や日報、お便りなどの作成も
連携して行うことができるシステムも提供されています。
このようなデータ化が進むと、書類の作成に必要なデータをすぐに取り出すことができるため同じような書類を作成する作業もぐんと効率化が図れます。
それに対していまだにお便りも
手書き→印刷
という園もあるのも事実で勤務する園により格差が広がっているのが実情です。
保育園のICT化は国の補助金対象でもあるので保育士さんの負担軽減のためには
是非とも取り入れて欲しいですが、園長など上の職階がパソコンなどにアレルギーがあると、なかなかIT化されづらいという話も聞きます。
また今まで作成していたものと書式が異なるため
カスタマイズが必要という理由で踏み切れない場合もあるようです。
園全体で業務をきちんと把握して分業できているか
担任を持つ保育士ばかりに書類作業を含めた業務が集中してしまう事は
ありがちな問題です。
書類業務にしてもいくらICT化が進んでもエラーの修正や同じような書類を作成、印刷しているというような非効率なことが行われている場合もあります。
このような問題については保育士一人ひとりではどうしようもないので
管理職以上を含めて一度業務を洗い出し、重複する無駄がないかを定期的にチェックする必要があります。
こういったことを積極的に行っている園と、そうでない園では
子どもの保育時間以外の業務量に膨大な差ができてしまうことは明らかですよね。
保育補助者(無資格パートなど)を雇っている場合でも
助けが必要な時に必要な業務をやってくれなければ返って負担になる場合がありますよね。
お互いの働きやすさのためにも、管理する側が業務をきちんと割り振ることが必要とされるのです。
保育士の業務の軽減化が進んでいくの?
実は厚生労働省は保育士の業務負担の軽減のために
効率化を図るようガイドラインを示しています。
>>>【厚生労働省】保育分野の業務負担軽減・業務の再構築のためのガイドライン
それによると
ICTの活用による
- データの共有
- お便りなどへの写真の活用
- 登降園・出退勤のICT化
や
保育補助者の活用、
書類業務の見直しなど
具体的なガイドラインや具体例が示されています。
こういった取り組みを積極的に行っている園は保育士を大切にしてくれる園です。
このガイドラインを見て自分がおかれた状況とあまりに異なっていて改善の兆しがなければ転職を視野に入れるのも選択肢の一つです。
書類業務についても、実際転職してやり方さえ変われば今まで大嫌いだったものがそれほど抵抗なくなるということもよくあるものです。
例えば手書きや重複する作業を無駄だなーと感じてしまう場合は
ICT化が進んだ園を探してみることを強くおすすめしますが
その一方で「PC作業は嫌い」という方もいらっしゃいますよね。
保育士の業務は保育以外にも多岐にわたるのが実情です。
意外に書類業務については働き続ける中で負担となる場合も多いので
これから転職・就職しようという場合にはその点もチェックして自分に合った園選びをしたいものです。
また書類業務なしパートとして募集をかけている園もあるので
常勤ではなかなか難しいですがそういうところを選ぶのも一つの手です。