上手に利用したい 潜在保育士のための公的支援制度
2019年7月9日
潜在保育士とは保育士の資格を持っていても、現在保育士として勤務していない人のことを指します。
潜在保育士の数は年々増加していて厚生労働省の調査によれば平成27年度で70万人以上にものぼります。
(※出典 平成27年12月 保育士等確保対策検討会 参考資料)
ここ数年、都市部ではかなり保育士への待遇が改善されており
保育士としてまた再就職しようかなという方はもちろん
保育士としての資格は持っているけれど一度も保育士として仕事をしたことがない方も含めて、
潜在保育士が保育士として新たに就職する際に利用できる公的支援制度についてまとめました。
金銭面の支援
まずはお金についての支援について。
潜在保育士 就職準備金 貸付制度
潜在保育士が再就職した際に就職のために必要な一時金を40万円まで借りられる制度です。
これは一人一回のみ利用できる制度です。
貸付とありますが、2年勤務することで返済免除になるという大きなメリットがあります。
基本的には週20時間以上勤務する保育士が対象です。
潜在保育士の要件として
- 離職してから1年以上経過している または 勤務経験がない
- 保育士登録してから1年以上経過している
ことが必要です。
ここで気になるのが登録から1年以上経過しているというところです。
現行では保育士試験に合格しただけで未登録の人は現行では対象外になってしまいます。
ただ今後この要件も緩和される動きがあるようなのでわかり次第追記したいと思います。
ここでいう就職のために必要な費用とは
- 就職活動にかかった費用
- 勤務するために必要な洋服などの被服費
- 就職するために子どもの預け先を探すためにかかった費用
- 通勤のために購入した自転車・バイク・自動車などの代金
など一般的なものは幅広く認められています。
主な注意点としては
-
- いわゆる無認可保育施設への就職は対象外
- 2年以上勤務せず退職した場合は原則退職後1年以内に返済しなくてはならない(1年以内に返済できないとその後は元本のほかに利息も併せて返済義務が生じる)
ということです。
申請方法は各自治体によって異なり、締め切りも異なりますので十分ご注意ください。
東京都については今年度(令和元年)の申し込みは秋以降となっています。
【東京都福祉協議会】潜在保育士の再就職支援事業
保育士さんが自分の子どもを預ける際の補助
潜在保育士または産休・育休明けの保育士さんが未就学児を預けて新たに保育園で
週20時間以上勤務をする場合に、かかる保育料の半額を補助(貸付)してもらえる制度があります。
例えば東京都の場合は月額27000円が限度となっています。
これも2年以上勤務すると返済免除となります。
※申し込み方法や細かい要件等は自治体によって異なりますので必ず各自治体に確認してくださいね※
貸付だけでなく給付を行っている自治体もあります。
小郡市 就職準備金10万円支給します
研修面での支援
今までは金銭面での支援制度を見てきましたが
実際長く勤務していない、または勤務経験がないと
「わたしにつとまるかなぁ?」
という不安も大きいのではないでしょうか。
実際わたしもその一人だったのですが、私の場合は、自分の子どもが通っていた園でのパートからはじめたので、
十分様子(色々深い意味で(^^;))を確認してからの勤務だったわけです。
でも実際は自分の子どもが行っていた園で働く人のほうが少数派ですよね。
最近の保育園の様子がわからないし、何をどうやればいいのやら?という不安も多いと思います。
こういった方のために最近では各自治体で潜在保育士さん向けの無料または格安の研修が行われるようになりました。
例えば東京都では
保育所勤務未経験者またはブランクの長い方を対象として
講義と保育所での実習ができる研修を無料で受けられます。
研修内容はだいたい土日二日間を使って講義を受け、
さらに希望すれば平日3日程度保育園で実地研修をするというかたちです。
研修を受けるには保育士資格が必要ですが登録していなくても合格証書があれば大丈夫だそうです。
かなり充実しているので興味のある方はぜひどうぞ。
詳細は>>>【東京都】令和元年度 保育士就職支援セミナー
ほかに令和元年7月以降に開催がある自治体の一例
札幌市 保育士復帰セミナー(2月と11月)
>>>http://www.sapporo-hoho.jp/event
千葉市 潜在保育士再就職支援研修(毎月第三土曜日)
>>>https://www.city.chiba.jp/kodomomirai/kodomomirai/unei/sennzaihoikusisaisyuusyokusienn.html
神奈川県 かながわ保育士・保育所支援センター 就職支援セミナー&就職相談会(8月)
>>>http://www.kanagawahoiku.jp/event/detail.asp?id=239
小郡市 潜在保育士研修(毎月異なるテーマで実施)
>>>https://www.city.ogori.fukuoka.jp/203/958/3666
どれもすべて無料で受けられますのでこのような研修をうまく活用したいですね。
また転職支援会社でも潜在保育士研修を実施しているところもあります。
そのうち無料研修が特に充実しているのがわたしの保育です。
東京限定となりますが、様々なレベルに応じた研修が実施されています。
すべて無料で受けられ、受講者の満足度も高く人気となっています。
実施日や内容などの詳細は
>>>無料の実技研修・イベントが充実!
もう一度、保育の楽しさを思い出しませんか?【わたしの保育】
新しい一歩を踏み出すためにこのような研修や補助制度をうまく活用したいですね。
東京都の保育士向け家賃補助についてはこちら