保育士になる方法は2通り 最終学歴ごとの保育士試験の受験資格をまとめました
2022年4月8日更新子育てをする中で保育士資格に興味を持ち受験してみようかなと思う方も少なくないと思います。
一方で大学などの保育専門の学校を卒業しないと保育士の資格取得できないと思っている方も意外に少なくないようです。
そのような学校に通っていなくても保育士は年2回実施される保育士国家試験に合格さえすればすぐに取得できる資格です。
保育士の資格を取る方法、国家試験の受験資格について最終学歴別にまとめました。
保育士の国家資格を取得するには
国家資格である保育士は一度取得すると原則生涯有効となります。
この資格をとるためには
- 厚生労働省の指定する養成学校(大学・短大・専門学校等)を卒業して保育士資格を取得する
- 国家試験を受験して合格することで保育士資格を取得する
という二つの方法があります。
このうち 厚生労働省指定の養成学校については卒業と同時に保育士資格を取得することができます。ただし最短でも2年間かかりますし、学費も当然必要となります。
一方でもう一つの方法である
国家試験を受験するほうは、受験資格さえ満たしていれば短期間の勉強で独学で合格することも可能です。
社会人の方が保育士資格を取ろうとした場合は断然国家試験の受験をおすすめします。
保育士国家試験の受験資格
保育士試験の受験資格は以下の通りとなります。
4年制大学・短期大学を卒業又は在学中の場合
4年制大学や短大を卒業している方→ 受験資格あり
2年以上在学して62単位取得している または 2年生で今年度中に62単位取得予定 →受験資格あり
となっています。
つまり短大卒以上は無条件で受験資格があり、
在学中でも2年生以上なら受験可能となります(ただし見込みが外れて今年度中に単位取得が足りない場合は無効となってしまいます)。
高等学校の専攻科または特別支援学校の専攻科卒業 または在学中の場合
これはいわゆる高専などの場合の規定で短大に準じています。
どちらも修業年限2年以上のもの卒業した場合→ 受験資格あり
在学中なら最終学年に在学中で今年度末までに卒業見込み→ 受験資格あり
となっています。
専門学校卒業または在学中の場合
高校を卒業してから入る専修学校の専門課程(修業年限2年以上のものに限る)や
高卒以上が入学資格となっている各種学校(2年以上の修業年限のもの)を卒業している方は
学んだ分野に関係なく受験資格があります。
またこれらの専門学校等に在学中の場合は
短大と同様に最終学年に在学中で今年度末までに卒業見込みである場合は受験資格があります。
つまり高卒なら分野を問わず2年以上の専門学校卒業で受験資格があります。
最終学歴が高卒の場合
最終学歴が高卒の場合は
- 平成3年(1991年)3月31日までに高校を卒業している場合
- 平成8年(1996年)3月31日までに高校の保育科を卒業している場合
を除いてそのままでは受験資格がありません。
この場合は児童福祉施設で実務経験を積むか2年生以上の専門学校や短大・大学を卒業すること等で受験資格を得られます。
高卒の方に必要とされる児童福祉施設での実務経験は
2年以上かつ2880時間以上とされています。
最終学歴が中卒の場合
最終学歴が中卒の方がそのままの学歴で保育士試験の受験資格を得るには
児童福祉施設等での5年以上かつ7200時間以上の実務経験が必要となります。
現状で全く実務経験がない場合は、今後少なくとも5年間の実務経験が必要となりかなり時間がかかります。
これを短縮したい場合は高卒認定を取得し、専門学校や短大に進学し規定の単位を取得することで5年より短い期間で受験資格を得ることも可能となります。
保育士資格取得のための実務経験を積める児童福祉施設等の範囲
最終学歴が高卒や中卒の場合に必要な実務経験の要件を満たすための児童福祉施設は大きく二つに分類されます。
まずは
児童福祉法第7条に基づく以下の児童福祉施設
- 保育所(利用定員20名以上)
- 保育所型認定こども園
- 幼保連携型認定こども園
- 児童厚生施設(児童館)
- 児童養護施設
- 助産施設
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 障害児入所施設
- 児童発達支援センター
- 児童心理治療施設
- 児童自立支援施設
- 児童家庭支援センター
での実務経験はそのまま受験資格として認められます。
この他に受験資格認定基準に該当する児童福祉施設として
- 認可外保育施設 (認証保育園、認定保育園 等を含む)
- 小規模保育事業(小規模認可保育所 等)
- 幼稚園型認定こども園
- 地域裁量型認定こども園
- 幼稚園(特別支援学校幼稚部を含む)
- 家庭的保育事業(保育ママ 等)
- 居宅訪問型保育事業
- 事業所内保育事業
- 放課後児童健全育成事業 (学童クラブ・放課後児童クラブ・学童保育 等)
- 一時預かり事業
- へき地保育(特例保育)
- 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
- 障害児通所支援事業(保育所訪問支援事業を除く)
- 一時保護施設
- 放課後等デイサービス(児童デイサービス)
- 院内保育
- 企業主導型保育事業 等
と多くの施設が例示されており
これらでの実務経験で保育士試験の受験資格を得ようとする場合は都道府県知事の認定が必要となるため、必要書類を提出して受験資格認定証の交付を受ける必要があります。
詳しくは一般社団法人全国保育士養成協議会
>>>【全国保育士養成協議会】勤務経験について
中卒や高卒(平成3年3月末までの卒業者を除く)で実務経験なしの場合は保育士資格をとるのに時間がかかる
そのままでは受験資格のない高卒や中卒の方で実務経験がない場合は
- これから実務経験を積む
- 必要な進学をして受験資格を得る
- 養成施設を卒業してそのまま資格取得をする(中卒の場合は高卒認定も必要)
の3通りの方法がありますが
どれも保育士資格取得にはかなり時間を要することになります。
最近ではタレントのつるの剛士さんが
保育士試験の受験資格を得るために通った通信制の短大を卒業されたニュースもありました。
>>>https://news.yahoo.co.jp/articles/c303a1d57adfd470d9837db8674d2de57e739ae2
社会人が保育士資格を取ろうとする場合、個々により実情がかなり異なるでしょうから
現状の自分にとって最適なルートは何か、費用対効果も考えて選んでいきたいですね。
受験資格については保育士試験の公式サイトと言える全国保育士養成協議会のサイトで
選択式チャートも載っていますので一度ご確認くださいね。