保育士の心のケア 悩みに対するサポート体制は?
2023年12月8日更新当記事には一部広告リンクが含まれていますが、実績のあるものを厳選して掲載しています。
待機児童ゼロを目指して、ここのところ、保育士の待遇改善についてのニュースが以前より多く聞かれるようになりました。
しかし、給料が安い、肉体労働でキツイ、などのマイナス面がまだまだピックアップされることも多いのが現状です。
そんな中でも頑張っている保育士の仕事、やりがいもありますが同時に悩みも絶えないですよね。
最近行われた厚生労働省による保育士についての調査で、ちょっと気になる結果が発表されました。
心のケアが必要な保育士がいるという保育所が27%も
厚生労働省の研究班が全国の保育所を対象に行った調査によれば、
「精神的・心理的負担のサポートが必要と感じたり、実際治療を受けてたりした保育士がいる」と答えた園は2672施設中、719か所にも上ったそうです。
「そのような保育士は何人いるのか?」という問いには、ほとんどが1人と回答したのですが、多い所ではなんと5人という回答も!
そのような精神的ケアが必要な保育士さんに対するサポート体制の有無については、公立認可保育所の77%は「サポート体制がある」と回答しましたが、その他の民間保育所などはないところの方が多く、すべて合わせた結果は58%が「サポート体制がない」ということでした。
この調査でちょっと気になるのは、回答したのが施設長(施設責任者)だということです。
保育士本人に尋ねたわけではないので、あくまで他人から見て明らかに精神的に参っているのがわかる人の人数でこの数字です。
実際には表面には出さず、我慢している保育士さんもたくさんいることを考えると、心のケアが必要な保育士さんの数はかなりにのぼると考えられますね。
参考リンク→保育所の半数超、メンタル支援なし 厚労省研究班が調査 日本経済新聞
保育士の悩みにはどんなものがある?
転職サポートサービス
マイナビ保育の調査では、保育士を辞めたいと思う瞬間トップ3として
- 膨大な仕事に追われて疲れ切ってしまったとき
- 仕事の責任の重さと給料が見合ってないと感じたとき
- 人間関係の問題に直面したとき
の3つが挙げられています。
膨大な仕事量
保育士の仕事は、子どもたちの面倒を見るだけでは終わりません。
行事の準備や、保護者への連絡帳記入、保育日報などの事務作業など多種にわたります。
こういった仕事は子どもを見ながらやれるものではないので、基本的には園児が帰宅した後の作業となってしまい、特に行事の準備などは、家に持ち帰ったことがない人はいないのではないでしょうか。
家に持ち帰れば、残業も当然つきませんし、かなりの負担となってしまいます。
こういった問題を解消するため、最近では「行事なし、残業なし」ということを全面的にアピールしている企業内託児所などが注目を集めるようになっています。
また、日報作成などの事務的作業については、パソコンやインターネットなどを活用してより効率化を図ることが急務とされていますが、パソコンなどを活用している保育所は約33%にとどまっており、まだまだ情報通信の活用では遅れているといえます。
確かに、保育園ではいまだにお便りも全て手書きというところも少なくないですよね。
暖かみがあって良いという意見も多いようですが、それが保育士さんの負担になっているなら、保育士さん自身がやりやすい方法で作ってくださるのが一番だと、保護者の立場も経験している私は思います。
仕事の責任の重さと給料が見合っていない
保育士は子どもの命を預かる仕事です。
なのに、他業種に比べていまだに給料が低いとされているのはどうしてなのでしょうね。
東京都などの大都市では給与の上乗せが徐々に行われてきていますが、全体としてみればまだまだと言えます。
ただし、金銭面については、資格取得の費用や再就職の費用などをいったん貸付という形で補助してくれる制度や、家賃補助などもかなり充実してきたので、そういった制度をどんどん活用したいところです。
人間関係の問題
普段、子どもの指導についてアレコレと悩み、考えることも多いのですが、それ以外に大変なのが大人同士の人間関係です。
同僚保育士や先輩、上司、そして保護者への対応・・・・。
ここで揉めるのが一番辛くやっかいなことですよね。
こういった様々な悩みについて、保育士の56%が同僚や先輩に相談したとしていますが、誰にも相談できないという保育士さんも12%に上っています。
しかし、様々な悩みを抱えつつもほとんどの保育士が「保育士として働き続けたい」と答え、保育士を辞めたいとしたひとはわずか7%だったそうです。
精神的に参ってしまう前に相談を!
保育士に限らず、どんな職場でも悩みは尽きないかもしれません。
でも最初の調査結果のように精神的に参ってしまう前に、せめて誰かに相談だけでもして欲しいと思います。
周りに相談する人がいない場合は、転職サポートサービスのコーディネーターに相談だけするのでも良いのではないでしょうか。
悩み相談だけでもOKの転職支援サービスもあります→人間関係で悩みたくない保育士さんのための転職支援サービス【保育エイド】
多くの保育士さんの悩みを聞いている専門のコーディネーターですので、色々な事例を踏まえて話を聞いてもらえるでしょうし、
もっと自分に向いている環境が見つかるかも知れません。
保育士さんがいきいきと働ける環境を整えてからこその、待機児童ゼロではないでしょうか。