保育士の給料 本当に上がったの? 処遇改善の実感は?
2022年6月11日更新待機児童問題解消のためにここ数年行われている保育士の処遇改善で
実際どの程度保育士の年収が増加しているのでしょうか?
保育士の平均年収の推移
厚生労働省が発表している資料によると
全国の保育士の平均年収は処遇改善が具体的に開始された平成25年度から年々増加しています。
(※この年収は賃金構造基本統計調査(厚生労働省)における毎年6月の月収と賞与から算出したものです※)
一方で同じ資料から令和元年度の全業種の平均年収は
男性 561万円
女性 388万円となっています。
増加してきてはいますが、
依然として保育士の平均年収は他業種と比べるとまだ高くない現状がわかります。
保育士は女性がまだまだ多い職場ですが
女性だけで比較してもまだ全国平均に追い付いていないというのは少し残念ですね。
ただ、処遇改善により従来よりは改善されてきているので
他の補助などの効果もあり、勤務する保育士の数は年々増加してきているのは事実です。
今後の見通し
国の政策としては今後の見通しとして消費税を財源とした賃金のアップや
キャリアアップ研修などによる手当の増加で保育士の平均給与は今後も増加すると見込まれています。
また総裁選の際には岸田首相が
看護師や介護士、保育士らの公的賃金が仕事内容と比べて低い
として改善を図ることを公約としていました。
せめて全業種平均との格差は解消して欲しいものです。
現場の保育士からはこんなに貰えてないのだけど・・・という声も
ただし国から支払われる処遇改善手当や東京都などの自治体独自の処遇改善加算は
働いている保育士さんに直接支払われるわけではなく、
保育士の最低配置基準に基づいて算定され、委託費として園に支払われています。
ですので最低配置基準より保育士や保育補助の人数が多い場合は単純に計算して一人当たりの加算額が減少してしまいます。
また人件費以外の設備整備費に使われることも認められています。
こういった理由から
新聞などで見るほど加算額がないと感じる保育士さんも少なくないのが実情です。
ただし自治体によっては
東京都江戸川区のように勤続5年ごとの節目にお祝い金10万円を支給するなど
そのまま保育士さんが受け取ることができる加算もあります。
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保育士の処遇改善といっても
給与アップ以外の家賃補助なども含め、基本的にどうしても職場を通じてのものなので
実際の反映され具合は園によって異なるのが実情です。
一方でお給料だけがすべてではなく、園の雰囲気や通いやすさなど
自分に合うと感じることができる園で勤務できるのは幸せなことではあります。
ただ他の業種との格差は解消して欲しいですし、
労働量に見合った収入を得られることは保育士さんのためだけでなく
良好な保育環境を維持するためにも不可欠だといえます。
首相にも是非公約を具体化することを期待したいですね!!