保育士お役立ち情報

現状の保育士配置基準はおかしい? 変更はある? 外国との比較も

2023年12月12日更新

保育士配置基準の現状と歴史外国との比較

このページには一部広告リンクが含まれていますが、安心して利用できるもののみ厳選して表示しております。

最近なにかと話題の保育士配置基準。

保育士の配置基準について国は見直しを前向きに検討したいとはいっていますが
その時期は現状では全く未定です。

配置基準より多い保育士を配置していると補助金を拡充することを
検討している・・・というのみです。

実際現状の保育士の配置基準はどうなっているのか?

保育士試験ではしっかり暗記したところですが
配置基準の歴史や他の国との比較をしてみました。

保育士 配置基準の現状は

一般的な保育所における保育士配置基準は以のように定められています。

  • 0歳児 3人に対して保育士1人
  • 1・2歳児 6人に対して保育士1人
  • 3歳児 20人に対して保育士1人
  • 4歳以上児 30人に対して保育士1人

※いずれも保育士は最低2名以上配置するとされています。

引用元>>>児童福祉施設の設備及び運営に関する基準

 

この基準は
昭和44年(1969年)からほとんど変化していません

それ以前はもっとひどく0歳児も10人に対して保育士1人なんて時もありますが。

保育園側は保育士の配置について最低この基準を満たしていればOKとされます。

0歳児3人につき1人という基準、それだけみても大変ですが、
0歳児6人だったら2人、9人だったらたった3人なんです。

モノじゃないので何人園児がいるかによっても大変さって全然違ってくるものなのに
この一律基準だとそれが一切考慮されなくなってしまいますね。

また3歳児 20人に1人、4歳児以上で30人に1人っていうところも
実際多くの保育士さんが苦労しているところだと思います。

保育士、保護者、子どもたち、
誰にとっても満足できる基準とはいえないのではないでしょうか。

保育士配置基準の特例

2016年には
保育士配置基準の緩和の特例として以下の3つが定められました。

  • 朝夕など児童が少数となる時間帯における保育士配置に係る特例
    朝夕など児童が少数となる時間帯においては、保育士2名のうち1名は子育て支援員研修を修了した者等に代替可能とする。
  • 幼稚園教諭及び小学校教諭等の活用に係る特例
    保育士と近接する職種である幼稚園教諭、小学校教諭、養護教諭を、保育士に代えて活用可能とする。
  • 保育所等における保育の実施に当たり必要となる保育士配置に係る特例
    保育所等を8時間を超えて開所していることなどにより、認可の際に最低基準上必要となる保育士数(例えば15名)を上回って必要となる保育士数(例えば15名に追加する3名)について、子育て支援員研修を修了した者等に代替可能とする。

緊急的・時限的対応として定めらているこの特例ですが、
これはあくまで待機児童解消と保育士不足を補うための緊急措置です。
保育士の有資格者の代わりに他の人材を配置するというだけで
配置する人数自体を増やすというものではありません。

保育士 配置基準 海外はどうなっているの?

厚生労働省の資料によると
出典>>>https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/10/dl/s1006-7e_0005.pdf

たとえばイギリスは
公立保育園は園児1人に対して保育者1人~園児6人に対して保育者1人(最低基準)
私立保育園だと
0~2歳児 3人につき保育者1人
2~3歳児 4人につき保育者1人
3~5歳児 8人につき保育者1人
保育職員の半数以上は有

ニュージーランドの全日保育園では
2歳未満児 5人に対して保育者1人
2歳以上児だと
1~6名に保育者1名
7~20名に保育者2名
21~30名に保育者3名
31~40名に保育者4名
41~50名に保育者5名
とされています。

この資料だと30人に対して1人なんていう基準は他に見当たらないんですよね。

また、保育士ではなく保育者となっているのがポイントで、
保育者は必ず有資格者でなければならないのではなく、
一定の割合で有資格者を確保していれば、他は無資格者でもよいとされています。

上述のイギリスだと保育者のうち半数以上が有資格者であればよく、
ニュージーランドだと最低一人が有資格者と定められているそうです。

やっぱり子どもの人数が増えれば増えるほど、保育者の数も増やして欲しいし、
それが全ての人の幸せに繋がっていくんじゃないでしょうか。

保育士配置基準に関わる今後の動向は? 変更はある?

昨年から保育園での事故等、悲しい報道が相次ぎ、
現場からは配置基準について悲痛な声が聞かれるにも関わらず
しばらくは配置基準自体は改正される動きはなさそうです。

ただし、来年度から基準より多く保育士を配置する園に対する補助金を新設すると発表されています。

自治体独自でより手厚い配置基準を定めているところや、余裕のある配置で人気の園も

国の配置基準は変わりそうもないですが、
より手厚い配置基準を独自に設定している自治体があります。

横浜市

横浜市では独自の望ましい配置基準を
0歳児3人につき1人以上、1歳児4人につき1人以上、2歳児5人につき1人以上、3歳児15人につき1人以上、4歳以上児24人に
つき1人以上としています。

出典>>>横浜市民間保育所設置許可・確認等要綱

保育士処遇改善といえば、の横浜市!

ほかにも保育士さんのための制度が充実しています。

>>>【横浜市】保育士確保の施策

京都市

京都市にも独自の配置基準があり、
0歳児3人につき1人以上、1歳児5人につき1人以上、2歳児6人につき1人以上、3歳児15人につき1人以上、4歳以上児20人に
つき1人以上5歳児25人につき1人としています。

>>>【京都市】京都市は手厚い保育士配置でゆとりを持った丁寧な保育を可能に

また、基準より多く保育士を配置していて勤務に余裕があることから
人気がある園もあります。

例えば、ピコナーサリー
基準より2倍の保育士を配置しているとしてあちこちで話題になっていましたね。

保育士の配置に余裕がある園で働くには

転職エージェントを使うなら、担当のアドバイザーさんに尋ねるのが一番なんですが、
とりあえずwebで検索してみたいということも多いですよね。

求人サイトで
配置基準を検索ワードに入れると、基準より手厚い基準の園を抽出することができますが
最近は徐々に増加してきています。

例えば
フリーワードで求人を検索できるジョブメドレー
だと

228件と出てきました。

保育士配置基準おかしい?

ジョブメドレーで求人情報を見てみる>>>ジョブメドレー

国の基準はあくまでも最低基準であり、
実際はプラスアルファの保育者が必要なのは明らかです。

現状では保育補助者等の活用で保育の質を保とうとしている園が多いとは思われますが、

保育される側、する側両方が満足できるような良い環境になることを
願うばかりですね。

-保育士お役立ち情報