保育士と児童指導員の違いとは 保育士から児童指導員になる?
2022年6月11日更新保育士さん向けの求人を見ていると
児童指導員
を同時募集しているのをよく見かけます。
児童指導員とは具体的にどのような仕事をするのでしょうか?
保育士と児童指導員の違いや
保育士資格保持者は児童指導員として働くことができるのか
必要な要件や現状についてまとめました。
保育士と児童指導員の違い
仕事内容の違い
保育士も児童指導員も基本的には児童福祉施設で働く職業ですが
勤務先や対象年齢が異なります。
保育士は主に保育所で小学校入学前の子どもの世話をするのに対し
児童指導員は児童養護施設や障害児入所施設、発達支援センター、放課後等デイサービスなどで養護の必要な子どもの育成や生活指導等を主に行います。
児童指導員が対象とする子どもの年齢は18歳未満と保育士に比べて幅広くなります。
必要な資格の違い 児童指導員という資格はない?
また保育士として勤務するには国家資格である保育士資格が必要ですが
児童指導員についてはそのような名称の資格があるわけではないのです。
とはいっても児童指導員として働くために必要な資格があり(任用資格と言われるもの)
児童指導員になるには次のいずれかの条件を満たす必要があります。
- 四年生大学の学部、または大学院で、社会福祉学、心理学、教育学若しくは社会学を専修する学科又はこれらに相当する課程を修了していること(海外の大学でも適用要件あり)
- 社会福祉士か精神保健福祉士の資格を持っていること
- 教員免許保持者で都道府県知事に適当と認められること
- 児童福祉施設で2年以上の勤務経験があること(中卒は3年以上)
- 地方厚生局長等の指定する児童福祉施設の職員を養成する学校(※現状では指定は行われていません)か、その他の養成施設を卒業していること
参考資料>>>【厚生労働省】児童指導員および指導員の資格要件等
つまり簡単に言うと大学で上記の学科を修了している人以外は
社会福祉士or精神保健福祉士or教員免許を持っている人は実務経験なしで児童指導員として勤務することができます。
保育士が児童指導員として勤務するには
上記のような大学の学科を修了しておらず、保育士資格しか持っていない保育士さんは
2年または3年以上の実務経験(=児童福祉事業に従事)があれば
児童指導員の任用資格を満たすことができます。
この場合の児童福祉事業とは
社会福祉法で定める第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業のうち児童福祉法に規定する事業を指します。
またここが重要なのですが
児童福祉事業に従事した者とは
- 「児童福祉事業」において障害児等への直接支援(生活指導、生活支援等)又は相談支援に関わる職員として、実際に当該業務に従事した者
とするところが多いようです。
ご参考>>>【千葉市】児童指導員の資格について
ですので保育園勤務でも障害児保育に携わった経験が必要とされることが多いと言えます。
保育士でも児童指導員でも変わらないことも?
しかし現状では児童養護施設などの求人でも児童指導員とともに保育士を募集していることも多く
勤務内容についても厳密に分かれていない場合もあります。
待遇については
児童指導員の平均年収が397.9万円(平均年齢43.8歳)
保育士の平均年収が374.5万円(平均年齢37.6歳)
となっており、若干の差が見られますが
これは業界全体の平均なので同じ勤務先で差があるということにはならないので注意が必要です。
例えば放課後等デイサービスを例にすると
人員配置要件は児童指導員または保育士・・・〇人などとされているので
経営側からしてもどちらかを確保すれば良いことになっています。
ですので児童指導員という名称にこだわらなくても
保育士として同じような業務につくことは充分可能となっています。
また当初は保育士として勤務してもそこでの実務経験がつくので
数年勤務すれば児童指導員の任用資格を満たすことができることになります。
ただ仕事内容や待遇に差がないのであればそこまで名称にこだわるのはあまり現実的ではなくあくまでも勤務先次第といえますね。